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るぱんさんせい 1


私の名前は、るぱんさんせいです。勿論あだ名に決まってます。
あれ?いや失礼、世代的にルパン三世のファンでした。そんな訳ではございませんが、三億円事件を始め過去ある大きな泥棒事件に数多く関わって来ました。
しかしもう、おいぼれでございます。身体を自由に動かすのも大変な歳になりました。すでに数年前から引退を考え、泥棒稼業から手を引いております。るぱんさんせい、天下の大泥棒との名前は誰でも知るところ。未解決事件のほとんどを、私の仕事ではないことまでも、あの事件もこの事件も、るぱんさんせいの仕業だとの名誉ある?言われ方をします。引くに引けない気持ちとは、名前のある名誉心から来るものなのでしょうか?分かりません。
ぶらぶらと、夜中田園調布、街中を歩いていると目に付くのは大きな屋敷、家々でございます。防犯チェックはひと目です。長年の経験とでも言うものでしょうか?150㎝45㎏、今この瞬間にでも屋敷に入り、仕事を成功に収めることはいとも簡単なことです。天下の大泥棒、るぱんさんせいのなせる技と言うものです。
田中飛車衛?どこかで聞いたような名前、和式の豪邸が眼に止まりました。何か記憶の奥底にわだかまりみたいなものがありました。何か虫の知らせとはこのことでしょうか?サッと塀に飛び上がり、木々をかぎ分けてするすると降りると、池に片足がポチャ!?、これは愛嬌と言うものです。
廊下越しにいくつかの部屋があり、一つに灯りがともしてある。そ~と近づき中の様子を伺うと、話し声が聞こえて来る。老夫婦?声の感じで分かるものである。
「事業に失敗した。もう私の運も尽きたものだ。こんなタイミングでブルース・リーマンショックがあるものとは、私の感も鈍ったものじゃ」
「シクシク・・・・会社もそうですけれど、この家も全て手放さければならないのね。シクシク」
「泣くな!それだけではあるまい。膨大な借金に押しつぶされて、スルメイカになってしまいかねないぞ。どうするよ」
「シクシク、こんな時に一人息子である、真紀男でもいてくれていたら、どんなに心強いか分かりません。シクシク」
「真紀男かあ、二十年前に飛び出したっきり、じゃなあ~。私に良く似ている。声だけじゃないぞ。顔も似ているのだ。ここは後の振りじゃ、覚えておくのじゃ」
「え!?なんのこと?シクシク」
「い、いや、何でもない・・・・誰かおるぞ。盗人か?」
「ヒッ・・・・シクシク」
その時すでに、廊下に上り襖越しに聞き耳を立てていたが、当然中から影がしっかりと見えていた。
田中飛車衛はタイミングを計り、そ~と襖の方に行くと、るぱんさんせいも気が付き!お互いに襖を開けた!お互いの顔が目の前に来たものだから、二人は大きく仰け反りひっくり返った。
「誰じゃー!」一括すると睨み合い、距離を置き、お互いが体勢を立て直した。
るぱんさんせいは「ハッと」気付き、「!?貴方は?もしかしたら・・・・二十年前、カリオストロ公国でお会いしませんでしたか?助けて頂いた記憶があります」
「いかにも、私は以前、カリオストロの城で庭師をしていた。愛犬カールとじゃ。ここでクラリスと真紀子いや真紀男を並べるのは、さすがに無理があるし批判も出そうなので、控えておく」
「クラリス?知らない」
「うむ。それで良い、・・・・あ!?お前は、あの時の死にぞこないじゃな。城に盗みに入るなんてむちゃなことするからだ」
「若かった。それだけだ」
「この屋敷に盗みに入っても、もう、もう何も無い。あるのはスルメイカだけだ」
「スルメイカ?」
「シクシク・・・・借金に押しつぶされたスルメイカの意味よ、比喩なのよ。分かりにくいわね。メタファーとも言うわ」
「なるほど、押しつぶされたからスルメイカね。面白い!・・・・先ほども聴いていたが、だいたいの事情が分かった」
「何!?どういう事だ!盗みに入った訳ではないのか?」
「そうか、私の第六感とはこう言うことだったのかあ。いや、盗み自体は今はしていない。でも、これからしなくてはならないのか?」
「何だと?分からんぞ」
「昔助けられた恩を、今返す時だと思ったのさ」
「・・・・。」
「さて、必要なお金とは幾らくらいになる」
「三億円じゃ。それも後三日での決済じゃ。天下の大泥棒、ルパン三世でも時間が無さすぎるじゃろ」
「三億円、三日。分かりました。何とか都合付けましょう。・・・・ルパン三世じゃなくて、るぱんさんせいです。ルパン三世は、ファンが多いので気を付けて下さい」
「分かった。るぱんさんせいだな」
と次の瞬間、るぱんさんせいは旋風が舞うように、一瞬で消えていなくなった。
「シクシク、本当にるぱんさんせいさんは、私たちを助けてくれるのでしょうか?」
「分からん。しかし可能性はある。誰もが知る天下の大泥棒、るぱんさんせいだ。一筋の光明とはこのことか?わしらは希望を持ち祈るしかあるまい。スルメイカにならないようにじゃ」
と二人の老夫婦は、暗闇の夜空を見上げると、ひと光の星が流れるのを観た。
姿勢を正し、手を合わして静かに眼を閉じました。

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旅?いえ、仕事です。 21


そうそう、平日のこの日の午後は天気も良く、千葉駅から浦安に行くために、京成線で西船橋に向かうところでした。
発車まで五分ほどの余裕がある。自販機が後ろの方に見える。歩き、ブラックコーヒーをスマホのスイカで買い、一番後ろの車両中ほどに乗車。数人の乗客、人の少なさに落ち着きを感じ、疲れた身体をコーヒーで癒す。
斜め前、ヤンキー風でレゲェ?今時代の少し道を外した感じの若い青年。うつらうつら寝ているが、手にはスマホ・・・・から・・・・コトン、あ!落ちた。でも起きない。自分も含め数人の乗客、見て見ぬふり、起こしてあげれば良いのだが、何かめんどうにも思える。
私は鞄を膝の上に置いて、空いているのに場所を取らない恰好。暖かいコーヒーに満足し、午後の柔らかな陽射しと、チュンチュン、チュンチュンと雀の鳴き声に情緒を感じる。と、ここは一番後ろの車両、確認作業のため後ろのホームに居た車掌が、つかつかと入って来た。
スマホを拾い、「お客さんお客さん。落ちてますよ」と声を掛けた。朦朧としていて分かったような分からなかったような、若者はスマホを手に取り、またうつらうつら落ちそうで落ちないスマホ、まるでギャグだね。気に留めることはない、落ちたら拾ってあげれば良い。車掌は後の運転室に戻り出発の準備。車内は和んだ空気が流れていた。

以前にも朝の大江戸線、座れる程度の混みぐあいだった。隣に座る若者二人は寝ていたが、手にはスマホ。コトン!やはり落ちた。本当は隣に居る、私が起こしてあげるのが親切の基本みたいなもの。やはり私は、鞄を膝に置いて寝ているふり。少し気になることは、この時スマホが前の座席との真ん中くらいまで行き、新しく乗車した客が気が付かなく、踏むリスクがあった。
ところが前に座った、小柄なおばさんが気づき、スマホを拾い一人の若者を起こすと、その反動で隣の若者の帽子が落ちた。またそれを「ごめんなさいごめんなさい」と言いながら拾うと、もう一度スマホが落ちた。焦るおばさんだが、若者二人は起きているようで寝ている。何とかスマホを手に取り、帽子も手に取る。頭を下げる恰好は取るものの、声には出さなかった。落ち着き、おばさんは前の席に座り、次の駅で降りて行った。隣りの若者が何か話し出すと、日本語ではなかった。
何か複雑な気持ちが心に残る思いがした。
人への親切は大切なことである。それが分からない若者であっても、言葉の分からない外人であっても同じである。回り回って、誰かの親切に助けてもらうこともある。
助け合いの精神は、村社会の日本人では常識である。日本人は神教なのだから、・・・・そこまで言うつもりもない。そんなことに遭遇したら、助けてあげる、そんな普通の行動が出来なくなっている自分に、もどかしさを感じているのだろう。
落ちたスマホを踏まれても自己責任でしかないと思う気持ちは、自分自身を狭い世界へと、追い込むきっかけになるものである。
小さなことから直していかないと、大きな間違いを見逃すことにもなりかねない。

西船橋で東西線に乗り換える。
と、これを書いている今、ピンポ~ンと家の呼び鈴が鳴り、出てみると、宗教の勧誘だった。おばさんだが「お金は取りませんから、この小誌、読んで頂けませんか?」神と書いてある。私が言葉に出来ないでいると、「宗教は興味ありませんか?」「う~ん」「ごめんなさいね。暇なときで良いので、置いて行きますね」良い顔をしないでいると、「そうですね」と小誌を鞄にしまい、「ごめんなさい」と言われたので、「ごめんなさい」と返した。
宗教には物凄く興味あるが、それは、人に教えを頂くことではない。自分自身で勉強して、真実を見つけることにある。生きている人は、やはり人間である。死後の世界を知ることはない。
仏教は御釈迦様だが、それは初めの一点にしかすぎません。歴史が仏教を創り、「神と死」と言う武器で支配してきたと言えます。キリスト教も同じです。
こんなこと、私程度の人間が言っても仕方ありませんし、怒られます。瀬戸内寂聴さんのお話を聞いていると、そんなことが如実に分かることがあります。

東西線に乗ると何だか広い。それは車内ではなく外の景色の広さだが、高いところを走っていることだと思う。
座席は奇麗に埋まり、立っているのは自分を含めて数人と言ったところ。真ん中あたりのドアに凭れて、車内全体を見回せる。外の景色との調和がなんとも言えません。表現が難しくもあります。
前の方に、車椅子を置くスペースで、赤子を抱く大きめの若いお父さんが見えます。
そうそう、寂聴さんの話で私が一番感じることは、寂聴さん自身、死んだらどうなるか分からない。と言っておられます。
出家して四十年以上現在九十五歳だった?今でも頭脳明晰でハッキリしておられます。もしかしたら日本で一番とは言わないまでも、そうとう神様に近い人間とも思えます。そんな人でも死んだら、天国に行くのか地獄に落ちるのか、それとも輪廻転生で生まれ変わるのか、何も無い「無」になるだけなのか、分からないと言われています。結局のところ誰も死後の世界は、人間には分からないと言う結論を、知ることが出来ました。

お父さんに抱かれた赤子が泣き出し止まりません。お母さんが出て来て、大きめのベビーショルダーをお父さんから付け替えます。その間中赤子の泣き声は車内に響き渡りますが、綺麗に乗車しているお客は何事もない、表情の無い顔が印象的に見えました。
宗教は、本当はビジネスではいけません。お坊さんは、袈裟を着ている時だけ神様に使える人になります。
古いお寺の裏には大きな家があり、ブクブク太った人間が、袈裟を着ると変わると言う現実。それは袈裟の意味も分からない、いや、分かっているのだけれども、今時代だからしょうがありません。
しかし、宗教の建物は立派な建築物が多い。結局は人間のしている事、御釈迦様もキリスト様も、欲に対しては否定的だったはずです。
自分が神様だと思う時は、死んだ時です。欲とは、人間を表現していることです。

お母さんに抱かれた赤子はピタリと泣きやみました。何事も無かったように静かになる車内。母親は赤子に対して最善の対策をしたことが分かります。
それこそが「中道の教え」となります。何事も自然に無理せず、一つ一つ対処していくしかありません。


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旅?いえ、仕事です。 20


月曜日の午後、この日も仕事を一つ終え、JR千葉駅に居ました。こういった大きな駅でも、平日の昼間は人も少なく落ち着いています。
電車移動が多く面倒ではありますが、意外と助かることもあります。それはトイレです。まず、無い駅は(ごくたまに、構内に無く、外の公衆便所の場合も田舎の方にはありました。)ありません。
首都圏の駅は当然のごとくどこでも綺麗なトイレ、今時代はそれが当たり前になっていますが、いったい一日に何千人の乗客が使用するのでしょう。それでいて、これほどの清潔感を維持出来ていると言うことは、東京だけでも何千人?いや、何万人の清掃員の方々のおかげだと思います。
感謝の気持ち、誰もが少し考えれば分かることだけれども、駅と言う公共機関は、不思議なくらい慌ただしい場所。生活の一部であることが、他人のことを考える余裕などなくしてしまう場所のように思えます。
綺麗であること、清潔であること、あたりまえの状態ではありません。誰かの手を汚して保たれている、それが仕事であるかどうかは関係ありません。少なくても使用した時には、感謝の気持ちを表すだけで良いと思います。
それ以上何も出来ないのだからそれで良と思います。

あれは小田急線本厚木駅だったかな?男子トイレの小便便器に、目隠しの衝立が設置してありました。あまりにも珍しい。と言うよりも、これだけ電車に乗っていて初めて見た。
どのくらい意味があるのだろう?たぶん普及しないと思う。若い人は見られたくない気持ちも分からなくもないが、そもそも他人のものは見ない。見て楽しむ人などよほどの変態か何かと思う。何を考えて設置してあるのだろうか?本当の無駄とは、こんなところだろうなと思ったりもする。
ホームドアもどうだろうか?事故防止の安全性なら、真鍮の柵でほぼ問題ないと思うのだが、何がいけないのだろう。柵は落ちそうになった時でも、「捕まれる。」それだけでも大きいし、本当に、見た目にも安全性を感じると思うが、どうしてだろう。
ホームドアは自殺防止だと言うのだが、本当だろうか?飛び込まれたらそれこそ助からない。何かもろく、倒れそうにも見える。
停電になったら動かないとも思うのだが、・・・・?そもそも停電になったら電車は走らない。

そして駅で最近増えたと思うのが、警備員さん。これは安全性には大変良いことだと思う。
しかし私には、少し複雑な気持ちもある。
それは先ほどの清掃員と同じく、誰が遣ってくれているのだろうか?
アベノミクスは高齢者の仕事を増やしたと言っているが、介護もそうだが、実態はこう言うこと(これ以上詳細には書けません)でしかありません。いや、悪いことではありません。
老人が老人を守る、そんな社会になりつつある。致し方ありません。

サロンを閉めたとき、一番最初に考えた仕事が警備員でした。今考えるととても出来ない。立哨など30分も出来ません。落ち着きのない56歳とも言えます。
自動車に乗ることも多いが、あの赤い誘導棒一つで、自動車を止めたり動かしたりするのは、かなりの危険と隣り合わせだと思います。
警備員と言ってもいろいろ仕事はあると思うが、とても私には出来ない。単純作業も駄目だし、この歳で、よくぞ今の仕事があったものだ。しかし収入は少ない。
痛し痒し、大して技術や資格もないのだからしょうがない。

以前はパスモの便利さに驚いたことを書いたが、今はスマホの中にスイカを入れた。(スマホが甘くなり、種が出て来た?など思わない。)まだ、直接カード決済はしていないが、コンビニでチャージ出来ることが本当に便利さを感じている。
キャッシュレス時代、これは本当に止めることの出来ない流れだと思う。もともと、お金など世の中にある金額はたいした額ではない。
世の中を動かしているのは数字だけだと言っても良い。私みたいなアナログ人間には危機感もあるのだが、・・・・いや、本当は危ない事だよ。信用=お金、ちょっとしたことで価値は変わる。
そんな経験、今まで日本では戦後無かっただけの話。皆が心配すれば、それは危険回避出来るかも知れません。
「心配事の九割は起こらない」と言います。それは事前に、危険を回避する注意を持つことである。
世の中には、思いもよらない危険の方が多くある。意識する事より、意識していない事の方が多いからである。
五十年前から関東大震災は近いと言われながら、未だに起こらない。その間に、関西、北海道、東北で起きている。
危険とは、「意識していると九割は起こらない」確率論でも正しい考えであると言える。

お金は大事である。当然であるが、特に日本人は使わない国民だと、日本人自身思っている。
小さな島国、農耕民族、米の保存性、村社会、当然もともとある日本人の守りの生き方は間違いではないと思う。
しかし、やはり戦後見える形で、円の暴落を見ていない。そりゃあ何回か不景気はあるだろうけど、例えば百円で買えた物が突然千円になることは経験していない。
東ヨーロッパ、ロシア、中国、北朝鮮、韓国でも十倍ではないものの、それに近い話はある。起きる時には起きるものである。
「心配事の九割は起こらない」誰もが、お金を信じていた時、思わぬことは起きるもである。

話が自分の想っていたことと違う方向に行ってしまった。

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旅?いえ、仕事です。 19


午後の昼下がり、取手発勝田行き(水戸)の常磐線に乗っています。今、石岡の少し前と言ったところです。
電車に乗ること自体は仕事と関係ないけど、乗らないことには現場に行けません。一日平均五時間くらいは乗っているかな?ひと時でも雑多な東京を離れられることは、心に清涼感を頂ける思いがします。
青い空にふわりふわりと流れる白い雲。建物が少なく広々した森林や畑が色付き始める中、ガタンゴトンガタンゴトンと一定のリズムで走る電車。
冷たい空気を感じさせる中、陽射しの柔らかい暖かさは、春近しを体感出来ている、軽いときめきが芽生える思いでしょうか?
このくらいの田舎このくらいの時間、乗客も少なく、四人ボックスにひとり。窓際に肘を付き掌に顎を置き、ボケ~と項垂れている姿は、何か幸せを感じさせる画に思えます。
このシリーズも19回目になったけど、今年初めてだったとは自分でも意外でした。その、が消えている。
未だに仕事の内容書いていないのだが、それを謎解きにすること自体、なんだかどうでも良いことに思えて来る今日このごろです。

何を想うか(書こうか)と考える。
私には少し御縁の無いことだけれども、女性の美ってどう言うことでしょう。春らしいと言えばそうでしょうね。
私にとっての永遠のアイドルは、アグネス・チャンでした。真ん中から分けた長い黒髪、ワンピースに白いソックス。純白、それが私の思う美しい女性象でした。美少女かな?
新六郷の青空ならともかく、今、書くことではないように思えて来る。自分らしくない、逆に気持ち悪い思考でしょうか?そうですか、そうでしょうね。
でも続けます。ケイト・ブッシュ、知っていますか?イングランドのシンガーソングライターだそうです。
勿論昔の話ですが、高校生の時、化粧品か何かのCMに出ていました。天使と小悪魔のアルバムジャケットの印象、そしてローリング・ザ・ボールのヒット曲は、やはり女性(少女)の美しさを感じさせるものでした。
こんなこと書いても変な趣味(少女)は無いですよ。
本当に時代と言うのか、今ではYouTubeで当時の映像がいくらでも観られるようになりました。有り難いことです。
ケイト・ブッシュのローリング・ザ・ボールは、どちらかと言えばトリッキーな曲?純粋な曲とは思えません。まあ、勝手に歌詞内容も知らないで、少女の想いのような曲に感じていた自分が笑えます。
昔のプロモーション映像観ると、嵐が丘と言う曲の舞いでも、クラシックバレイが下地にあるように見えます。ピアノも弾いていますし、かなりの英才教育で、良いところのロンドン育ちも分かります。
しかしアグネス・チャンの持つ、純白な少女とは違いますし、似てにつかぬ美しさに、最近驚きがありました。
ケイト・ブッシュは何を考えているのか分からない。以後のアルバムでも、方向性が私の想いとは違うものを感じます。まあ、歌詞も分からないのだから仕方がないことです。
何かもったいないものを感じるのは、容姿ではなく、性格なのかな?趣味が合わなければ関心も薄れるし、見方自体も変わることでしょう。
ファン側の見方なのだから自由です。

石原真理子と沢口靖子の全盛期。少女とか純白とは少し違いますが、女性の美しさならば、私の記憶の中では歴史上ナンバー1、2ですな。大げさです。
当然ですが、女優になると創られた性格もありそうです。それが商売ですから、騙される側なのだから仕方ありません。
人は喋ると性格も出ます。容姿の美しさは、性格も含めた人間的な美しさとは少し違うところです。だから容姿の美しさは、見る側の想像が大きく含むものです。

車内では、少ないながらも人の出入りがあります。どこかの駅で中学一年生くらいの少女、三人乗って来ました。そこで今日が、土曜日なのかと思いました。
空席の多い車内なのだが、あっち行ったりこっち来たり、キャッキャキャッキャと、うるさいほどではないが何か視線がそちらに向く程度でした。
田舎の娘、そんな素朴さと明るさを感じます。そのような趣味は無いですよ。カップルでもおじさんでもおばさんでも、何か見てしまう、ことってあるでしょう。
公共の場での行動は、誰でも見る側見られる側、両方あるとしたものです。
斜め前のボックス席に三人の少女は座り、落ち着いたかと思っていると、順番に席を替えて回ります。何が面白いのか分かりません。
キャッキャキャッキャと何か遊んでいる、そんなことが楽しいのでしょう。そして無邪気な可愛さを振り撒いています。
見ていて可愛いと思う気持ちは、おじさんとしては正常なことです。他人でも子供が可愛いと思えるからこそ、子孫のつながりはあるものです。微笑ましい可愛さとでも言ったものですな。

少女とは関係ありませんが、男はしたいことをする。女は自分のことだけしか考えない。
大脳の奥にある爬虫類の脳にある思考ですが、当然子孫を絶やさないために必要な本能です。大脳が情動脳や理性脳によって現実を難しくしているだけですが、本能の奥底には、
オスはしたいことをする。メスは自分ことだけを考える。意外と気づきにくい本質のように思えました。

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三年4組クラス会 5


今、私は生きているのでしょうか?何もない空の中を浮かんでいます。何か明かりが一筋見えて来ました。近づいて行くとだんだんと大きくなるのが分かります。目の前に来た時には、大きく口を開けた、空よりも広い、赤い洞窟がこうこうと開いている窯に見えました。
そこに何万もの人々が、ふわりふわり飛んで中に入って行きます。天国か?地獄か?それとも輪廻転生のために生まれ変わるのか?私もふわりふわり飛びながら考えます。考える?
次の瞬間、ガラッと世界が変わりました。どこか懐かしい気持ち、新鮮で未来に希望持てる感じ、いや、古ぼけたカビの匂いでしょうか。生きることに何も違和感がない、人間としてあたりまえのことほど幸せなものはありません。

そこは、志茂田中学校でした。志茂田中学校は最近新しく建て替わりましたが、今居るところは昔の学校です。三年4組の札が見えます。廊下には私とMとWが居ます。
「どうしてここに?」私は尋ねました。「久川先生の個人面談で並んでいるんだよ。今、Iが面談中だよ」とWが言うと私は、「面談?何の?」「進学相談しかないよ」とMも答えた。
何で今更進学の面談?おかしいと思いながらも、中学校なのだからそうなのかな?とも思った。
ドアがガラガラと開き、Iが出た来た。「どうだった?」とMが聞くが、Iは、何かスッキリとした表情を見せたが、黙って廊下を歩いて行った。入れ替わるようにMが教室に入った。
「自分らどうなってんの?56歳なのに、なぜ進学相談?」私はWに聞くが、「さあ~、中に入れば何か分かるんじゃないの?」と言った。それもそうだし、それ以上言葉に出来なかった。暫くして、Mが出て来た。やはり、何かを納得した表情とでも言うのか、何も語らずに帰って行った。
Wが教室に入った。そして出て来た。「W!」と言うと、「長ちゃんの番だよ」とだけ言って、静かに歩いて行った。

何かあるなと思い、意を決して教室に入った。広い教室には机一つ、正面に久川先生が座っていた。ハッとしたが、手前に椅子が一つあった。
「座りなさい」と言われ腰掛けると、「それでは今後のことだが、長澤君は何処に行きたいのかね?」と聞かれるが、中学時代の先生、そのままの姿に驚いた。今では自分の方が年上?それも感じた。
え!?と気づき、「今から進学するのですか?」と聞くと、「いや違う!」と強く言った。続けて、「ここに残るか次の世界に行くかだ。今の長澤君は、魂でしかない。肉体は無いのだよ」「え!?それじゃ死んだ?・・・・ですか?」「そう言うことだ」と答えた。頭の中が真っ白になり、何も言葉が出ず、放心状態になった。
「選択肢は二つだ。一つは現状に残って、私のように、生きている人(いた人)たちの何か役に立つことをすることだ。いろいろと仕事はあるものだ。しかし、それだと過去の記憶でしか魂は残れない。新しいことを学んだり経験することは出来ないのだ。当然人間としての器が無いものだから、過去にしか生きられない。そしてもう一つは、新しい世界に飛び出すことだ。だだ、それには何も保証は無い。天国に行けるのか?地獄に落ちるのか?それとも輪廻転生として生まれ変われるものなのか?もしかしたら人間に生まれ変われないかも知れない。そして新しい世界は、何も無い闇の世界かも知れない。・・・・と言うことだ」
「!?先生は、新しい世界のこと、知っているのですね」「いや、・・・・知らない。知らないから、魂として現世に残っているのだ。もう、何千人と面談しているが、一番良い方法と言うのがある。多くの人たちは、とりあえず現世を、記憶を辿る旅に出て、心を浄化し、どこかでお別れの心構えが出来たときに、新しい世界に旅立つものだ。今、I、M、Wと同じ道を選んだ。長澤君はどうするかね」
「分かりました。私も現世を旅してから、新し世界に挑戦致します」「よろしい。それでは廊下に出てから音楽室に行きなさい。そこは、長澤君用の現世の入り口になっています」
挨拶をしてドアを開けると、何人かの友人が居た。「どうだった?」「何があったの?」「なぜ、ここに居るの?」と聞かれるが、黙って音楽室に行った。

中に入ると、突然世界が変わった。そこは六郷にある自分の家だった。一階のお店(蕎麦屋)では、働く姿の父と母が居た。二階は三部屋あり、姉二人は自分の部屋で何かしていた。猫のちびも寝ている。そして隣りの部屋で、テレビを観ている自分の子供時代の姿があった。
今は、天井から観ている状態だと分かった。学校に飛ぶと、小学校時代の仲間が居た。そこにも自分の姿があった。中学校に飛んでも、高校に飛んでも、その時代の仲間と同じく自分の姿もあった。
どうやら記憶の中で飛べるのだが、時間の概念が無いらしい。過去の自分やそこの世界に入ることは出来るが、それ以上見ることが出来ない。ましては、見たこともない人物や出来事には、会うことは出来ないのだ。
それが、魂と言う中にある記憶だと分かった。けして新し人物や出来事に遭遇することは無い。人間では無い、身体が無い、脳が無い、と言うこと。魂は、未来に生きられないことだと分かった。
それが気づきであって、心の浄化と言うものである。過去へのこだわりを捨てて、新しい世界に行く決心が出来る時、それが今である。
何だか気持ち良い。清々しい気分とはこのことか?どんな世界が待っていようと行かなければならない。
~過去は追ってはならない、未来は待ってはならない。ただ現在の一瞬だけを、強く生きねばならない。~
御釈迦様の言葉である。
今は生きていないのだけれども、「魂よ永遠なれ」と言いたい。

ここは六郷にある中華そば屋、何でもある、なかむらや。
ミニクラス会と言う人もいるが、たまに三年4組のメンバーが集まり、ひと時を楽しんでいる。今日は、I、M、Wと私の四人が飲み食事をしていた。ちなみに店主であるJも同級生である。
「あれ?俺死んじゃうの?」「Iだけじゃないよ。みんな死んじゃうよ」とMがブログを観ながら言った。「確かに、この展開じゃ分からないよ」とWも自分のスマホを観て言った。
「多分原稿用紙にすると四十枚以上になるから、まあ、まとめるのが大変だったよ。でも、そこそこ出来は良かったと自分では思っているんだ」と私。「まあ長ちゃんは、自分の気持ちで、書きたいことを思いっきり書いた方がらしいね。確かにこの結末は納得できるな」とM。
「SF風だけれどもSFってどうしても、嘘くさくなるところが引っ掛かるけれど、何か嘘は嘘なりに、筋を通した内容だと思っているよ」と私が言うと、「ミュータントとの攻防がもっとあっても良いかな」とI。Wは、「そうかなあ。それはそんなに重要なことではないように思える。長ちゃんは、死についての方が重要視しているじゃない」「確かに、死については大事な話だと思っている。でも、一番は読んで頂いている人が、その人なりに、何か心を動かしてくれれば幸いです。何書いてあるのか分からなければ、それは書き手の技術不足になるので、そんなところの勉強だと、自分では精進しているところです」と私は言った。
すると、オムライスを四つ持って来たJが、「俺も出ているの?」と聞くと、Mは「残念、最後に少しだけだね。いや、なかむらやは宇宙船だね」と言って、皆笑った。

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三年4組クラス会 4


穏やかなBGMが流れる会場、皆がそれぞれに気持ちよく会食していた時、いきなりのアナウンスだった。
緊急速報発令!!緊急速報発令!!銀河外生命体来襲ー銀河外生命体来襲ーえ!?会場は、一瞬にして緊張が走った。皆半分酔っているのか、何をどう動けば良いのか分からない。動くことが出来ない。誰もが顔を見合わせて、誰かの判断を待っているようだ。
ピーンと張りつめる空気、暫くの静けさの中、Iが立ち上がった。
「ここは地球ではない。どこに逃げても同じだ。逃げ切れるものでもない。暫く政府の様子を聞いてから判断しょう。ラジオは無いが、大切な情報は逐一アナウンスされるだろう」と言った。
私は「ラジオ?」と思い、確かに今はバタバタするときではない。落ち着くことが大切だと思い、椅子に腰を下ろした。誰かが「熱いコーヒー淹れるわ。飲む人、手を挙げて、」と言うと十人以上の人が手を挙げ、私も手を挙げた。
皆が息を飲み、静かに状況の変化を緊張し、待った。
BGMは消え緊急事態のアナウンスを待つ広い会場。時々小さな話し声が聞こえて来るが、緊張感か神経をとがらせる。
「誰だよ。火星でクラス会遣ろうと言ったのは?」そんな声が聞こえた。
「今更言うことではないよ。ここは、地球より安全だと言われたところだよ」「言われても、現実に宇宙人に侵略されているんだ。言われたことは都市伝説だったね」「昔、地震は関東中心だと言われていたが、現実は全然違っていた。それと同じか?」「確かに、そんなこともあったな」「今はそんな過去のこと、話している場合ではないでしょう。これからどう生きていくのか考えるべきでしょう」「とりあえず、政府(宇宙自衛隊)に任せるしかないよ」「自分たちも出来ることがあるのならば、何かするんだけれど、どうすることも出来ない」「待つしかないね」そんな会話が静かに続いた。
そして、「久川先生は?」と誰かが言った。私もフッと、気になった。
Iは、「もう来ても良い時間だが、まだ来ていないね。もしかしたら、ミュータントに襲われていなければ良いのだが、・・・・」「やめてよ!そんな言い方するのは、」と聞こえて来る。
ミュータント?何だか新しい言葉だ。素直に宇宙人で良いのではと思った。
またしても、緊急事態発生ー緊急事態発生ーと怒涛の如くアナウンスが入った。
「只今宇宙防衛軍は、銀河外生命体との戦闘が始まりました!」と聞こえた。皆はざわつき始めた。ここから見える外は、いたって静かな青空が広がっている。この景色は創られた世界、当然その外では激しい戦いが繰り広げられているだろう。
Iは、「防衛のために、何か武器を探してくる」と言い、会場の外に出て行った。MとWも賛成してついて行った。

私には、とても現実とは思えない。それは一貫した考えだが、頬を抓ると痛い。夢でないことだけは確かに分かるが、本当にまとめ切れる内容なのか?作者に対して不安が募る。
Iたちが戻って来た。「武器倉庫が見つかった。男子は、みんな来てくれ!」男子は立ち上がり、気持ちを切り替える。武器倉庫に行くと様々な武器が目に入る、そして手に取る。「戦況は分からないか?」と聞こえた。
Iは、「良くないようだ。もうじきここも危ない。とりあえず、武器を持って移動することにする」と言った。「やるしかないのか?」私が言うと、Iは、「自分たちの命は自分で守る。それがペヤング(久川先生)の教えだ」「ペヤング?」なぜ今?なのだ。
Iは、男子に武器を手渡すと皆の前に立ち、「宇宙防衛軍はダメかも知れない。でも諦めてはダメだ。最後まで戦おうではないか!生きること、人間として子孫を守ることは、今、自分自身を守ることである。それしか道は無くなった。退路は断たれた。今、戦う時だ!」皆は銃を掲げて、「おう!」と力強く気勢を挙げた。
何だかおかしい?なぜこうなる。「どうしてクラス会だったのに、宇宙人と戦争しなくてはならない?」武器を選び、宇宙服に着替えているMとWに聞く。「考えすぎだよ長ちゃん。行動あるのみ、Iも、宇宙防衛軍がダメだと言ったろう。だから自分の命は自分で守る。当然だよ」Mが言うと、Wも「やすやす殺されてたまるか?地球に居る家族のためにも戦おう。長ちゃん」と言った。
「いや、現実的な話、宇宙防衛軍がダメな相手に、自分たちが相手になるか?それ以上に武器扱えるのか?」「だから考えすぎだよ長ちゃん。簡単だよ、こんな武器」「戦っても戦わなくても殺されるなら、戦うしかないよ。相手は、感情の無いミュータントだよ」
「そうじゃなくて、・・・・」と言うところで、武器をもって外に出て行ってしまった。私も仕方なく宇宙服に着替え、外に出ると、暗く広い倉庫に出た。そこには、戦闘機が何十機も並んでいた。皆それに乗り込み操作する。
だから素人が戦闘機に乗れるわけないだろう。と思いながらも乗り込むと、通信機が操作されて、Mから「長ちゃんは考えすぎ、思うように操作してみな、飛べるよ」と聞こえた。
発射準備のサイレンが鳴りだすと、少しずつ発射台の扉が開きだす。そこに見えるのは、闇としか思えない暗さの宇宙だった。確かに地球より太陽から遠くなるし、反対側なら光りも見えない。幻想的な銀河とは違うようだ。
クラスの皆は次々と発射して、闇の中へと消えて行く。そして私も飛び立った。宇宙に出ると、戦闘機の明かりだけが点々と光るのが分かる。
「どんな感じ、敵は見える?」とWから通信が入った。「分からない。どこに行けば良いの?」と聞くと、Iから、「暫く様子を観ているようにと言われた」と入った。「今回はパトロールみたいなものさ」とMから入った。
一時間ほど飛行して、Iから、「そろそろ宇宙船に戻ろう」と通信にあった。「何もなかったね」とW、「意外と戦闘機の操作簡単だったね。だから長ちゃん考えすぎなんだよ」とM。私は、そんなものかと思った。

今度は通信機に、一般ニュースが入って来た。
「臨時ニュースです。地球政府は、とりあえず本体の地球を守るために、宇宙船なかむらや号を10分後に自爆すると発表しました。なかむらや号には、銀河外ミュータントが全体の80%を侵略しており、およそ百万匹の生息が確認出来ました。人間は五万人程度いますが、犠牲になって頂くのは致し方ない。とのことでした。 以上」
「!?どうするの?もしかして戻れない!それに、とりあえずとか致し方ないなど、政府が言う言葉じゃないよ」Iに通信する。「戻れない。どうするよI」「出来るだけ、なかむらや号から逃げよう」「家族はどうする。見捨てるのか?」「逃げるって、こんな小さな戦闘機じゃ逃げ切れないよ」「それ以上に、どこに行くんだよ」「俺は、なかむらや号に戻る。自分の命は自分だけのものではない」皆からもいろいろ入る。
「うん。・・・・戻ろう。それが正解かも知れないな」とIが締めた。
戦闘機は全て旋回して、なかむらや号に向かった。闇の中、一瞬の光が怒涛と共に光ったと思った瞬間、赤く炎と燃え盛り爆発した。戦闘機も爆発の風圧で粉々に砕け散り、一機たりとも残ることがありませんでした。
続く。

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三年4組クラス会 3


窓越しに土色の火星がだんだんと近づいて来る。そして無数の宇宙船がふわりふわりと気持ちよさそうに浮かんでいた。その一つのなかむらや号に近づいて行くのだが、距離感がつかめない。大きさがなかなか変わらない。
近づいて来ると、闇の世界が薄明るく変わる。その大きさが全てと見えて来るのだが、中々近くにありそうで遠い。その内に宇宙船の鎧だけが広がり、吸い込まれるように中に入って行った。
「大きな宇宙船だね。どれくらいあるのかな?」と誰かとなく聞く、「東京と同じくらいあると聞いたね」と誰かが言った。

宇宙船の中に入ると、そのまま鉄道になっていた。今度は線路の上を、ガタンゴトンガタンゴトンキキーと走る。ある意味自然な形に戻った。
宇宙船の中は近代的ではあるが、情緒もあり、地球の都市と同じように創られている。空は青く広い、森林などの自然も多く空気も美味しい。街の中を汽車は走る。そんな感じである。
暫くすると、汽車はそのまま宇宙都市の中に入って行った。今度は空を飛んでいる空間が広がった。窓から見える世界は未来都市そのまま、見たこともない宇宙都市の中を、円盤のような飛行機がビュンビュンと数限りなく飛び交い、良くぶつからないものだと感心するほどの混雑だった。
汽車は、大きな一つの宇宙船のような物体に入って行った。どれほどの世界だよ、と思ってしまう。そしてホームに着き降りると、人でごった返して・・・・?いや、何て言うのか人間の世界ではない、いろいろな宇宙人がいる。
トータル・リコールやフィフス・エレメントあたりを想像して頂ければ幸いである。アメコミの時代なのに例えが古い。

駅からは動く歩道で移動する。エレベーターも透明な乗り物で、何も無い空間をスーと上がって行った。エレベーターは止まりドアが開くと、そこが今回のクラス会の会場であった。
円形の会場は地上60階ほどで、全面ガラス張りの展望の良い景色が目の当たりに広がっていた。
BGMが気持ちよく流れ、バイキング形式のテーブルには、既に三十人ほどのクラスメイトとその家族が集まっていた。
「ここは本当に、火星の軌道にある宇宙船の中?」と私がWに聞いた「凄いじゃないか、ここから見える景色は東京の高層ビルと同じだよ」「だったら、東京の品プリあたりで集まった方が良かったんじゃない?」「・・・・。」
懐かしいと言うよりも、四十数年の時間は大きい。今回初めて出席する顔も多い。特に女性は多く来ていたが、中学生時代とはやはり変わるようだ。その中に、何か昔の面影みたいなものがどこかに感じられる、そのような印象が面白く思った。
「遅いよ。みんな集まっているよ」とI、バイキングの前に何人か集まっていた。
「機関車999号だったから遅かった?」とMは言った。Iは「ほとんどの人はスペースシャトルだけどね。それだったら二時間で来るよ」
「今回は女子来たね」とM。「やっぱり、このくらいの規模でやらないと集まらないよ。宇宙船なかむらや号だからね」とIは笑った。
私はバイキング程度ならどこでも同じだよ、と思うのは野暮なこと?とも思ったりもする。
「ところでペヤング(久川先生)は来た」とM。「まだ来ていないが、もうじきのスペースシャトルで来ると思うよ」とI、そこにT君「久しぶり」とU、「T君U」と私、M、W、I、皆握手する。

幾つかのバイキングテーブルを囲み、皆は昔の思い出に花を咲かせた。
思い出の不思議なところは、いくら四十数年振りでもひと目会うと、その瞬間、時間が戻るところにある。頭の奥の方に閉まっていた、もしかしたら、死ぬまで開けることの無かった引き出しを開けることになる。
一度開けると忘れていた記憶が次々と閃くようだ。頭の中の画が動画のように写り、動き甦る。
そして話することで、また更に思い出が広がり、会話も楽しくなる。そんな相乗効果的なところが、クラス会の良いところだと思える。

男子でもそうだが女子でも、当時の仲の良し悪しはあるだろう。いや、女子の方が深刻なのは分かるとしたものだ。
向こうのテーブルでは、Y、Y、H、と女子ではクラスの中心だったグループと、I、M、I君、T君、U。隣りでは、M、O、H、U、の女子と、T、T、S、J、の男子グループだ。家族もいるので誰が誰だが分からない。
ここは、M、K、W、の女子と、私、W、S、の男子とその家族。
イニシャルばかりで何が何だか、申し訳ない。
「Mさんは、三年になって志茂田中に来たんだよね」とWが言った。Mは「親の転勤だったと思う」「あの時期での転校生は珍しかったよね」とS。「Mはあまりしゃべらなかった」と女子のW。「知らないクラスで、直ぐには馴染めないものよ」とM。
「可愛い転校生だと、男子では評判だったよ」と私が言うと、「有り難う。今頃言わないでよ」Mは言って、皆笑った。
Wの奥さんと女子のWは周りの子供たちに、バイキングの盛り付けなどを盛んにしていた。
「Kさんとは隣の席だったこともあったね」と私、「二学期そうだった。もうみんな忘れたけれど、長ちゃんが将棋の話で、アマ(アマチュア)と言っていたのが印象的、海女さん?と聞き返したことがあった。不思議な顔されたよ」とKさん、「それは傑作だね。Kさんに将棋の話など通じるはずが無いものな、アマが海女さんになるのも不思議な話ではないよね」と二人は笑った。

クラス会は思い出である。私は特にそうだが、今の現実は話ずらい。上手くいっていないから尚更だ。と同時に、相手に対しても今は聞きずらい、どんな答えが返って来るのか、想像出来ないからだ。
ただ、過去の思い出話にも限界がある。やはり、クラス会自体は年に一回程度で良いと思う。それ以上頻繁に会うとなると、それは今からの友達となる。現実を共にする、友になると言うことだ。

時間が経つと、皆がそれぞれ自由にテーブルを入れ替わる。いろいろな人と、たくさん思い出話をしたくなるものだ。過去は変えられない。変えられないものの、勝手に創ってしまうこともある。その修正であるのかも知れない。
変えられない現実は、いやしかし、その時の感情がどうであれ、懐かしく感じる今があるのだと気づかせてくれる。それが年齢に現れる歳だと言えるものだ。

ところがこの時、BGMがビービーとけたたましいサイレンに変わり、緊急警報発令!!緊急警報発令!!と騒ぎ出した!

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三年4組クラス会 2


ピィーーーと、遠くの方から汽笛の音が聞こえて来た。森林の闇の中から一つの明かりを灯して、ギギーギーギー力強い鎧を重たく着た、ガタンゴトンガタンゴトン蒸気機関車がのっそりとホームに入って来る。石炭のどす黒い煙と焼き焦げた匂い。少し咳き込む暖かい空気が、夜の静けさと寒さを払い落とす。何か懐かしい、味わいを感じずにはいられなかった。
キーギキーキーギキー車輪の重たく止まろうとする重低音、電車ではない機関車の風格が、私に安堵なる気持ちを与えてもらえる。
ガタンゴトンガタンゴトンキキー目の前を先頭車両が通り過ぎる。機関士は見えない。いるのだろうか?明かりのある客車が何両か通り過ぎる。人影は無い、乗客も乗っている様子が見えない。ガガードスン停車する。重たい重低音の響きを残し、もくもくと黒い煙が闇の中に消えて行く。
「さあ、乗ろう」とMが、手動で引き戸式のドアを開け、四人は中に入る。木製の古びた客車、蛍光灯は弱い明かりを薄暗く灯している。再び幾つかあるボックス席の一つに四人は座る。
私はキョロキョロと周りを見渡した。
「どうしたの?」とW、「多分どこかに、長身で髪の長い金髪女性と、少し不細工な少年が乗っているよ。車掌はずんぐりで、影の顔で目が赤く光った人が出て来ると思う」と私は答えた。
すると、奥のボックスで話し声がする。私の見える位置から、金髪女性の頭が見えた。「やっぱし」と思い。その時、連結の引き戸が開いた。
車掌だ!あれ!?スリーナインの車掌じゃない。と思うが!?横分け眼鏡にネクタイ、一般サラリーマン風。地獄で見た、眼鏡の光る裁判官だ!
「なるほどね、こちらのパターンかい」と私は思った。
しかし、頬を抓ると痛い?やっぱり、夢と言う落ちでないことだけは確かだった。

午前零時、機関車999号は大雄山駅をゆっくりと出発した。
すると、ドスンと急に車両は大きく傾き、直角になろうと、感覚では感じた。いきなり滑り出したように空へと昇って行くのが分かった。不思議なことは、飛んでいるはずなのに線路の上を走っている。ガタンゴトンガタンゴト~ン、キーキーと線路を走る地響きが聞こえて来る。
真夜中の景色は、月明かりが幻想的な世界を創る。山々は枯れた肌色が薄く広がり、緑も所々に見える。
窓際に座るWの奥さんが、押上式のガラス窓を、「よいしょ」と半分開けてみる。外の爽やかな空気が気持ち良く入って来る、斜め前に座る私にも分かる。
Mも下に見える街並みを眺めながら、「ロマンだね」と言い、Wも「わ~、こんな夜景初めてだよ」「ここで、ゴダイゴの曲でも流れたらいいのにね~」とWの奥さんが独り言のように、すでに私の頭の中では流れていた。
段々と昇って行くに従い見える景色が下になって行き、私の位置からでも、大雄山の森林が下の方に見え、住宅や川や橋なども小さくなるのが分かる。

しかしガタンゴト~ンガタンゴト~ンと、いったいどこを走っているのか?不思議な地響きは何だろう、と私はそちらに関心が向く。
「空を走っているのに、聞こえて来ない。車輪の音?」と私が言うと、Mは外を眺めながら、「長ちゃんは考えすぎ、今の現実だけを見ていればいいの」Wも「この現実があれば、他はどうだっていいよ」
ある程度空に昇ると、空気も薄くなり気温も下がって来る。Wの奥さんは、ガラス窓を下ろし閉めた。
月明かりがこうこうと光、そこに向い走る。だんだんと大きくなる黄色い月に、Wの奥さんは「こんな景色、肉眼で眺めること出来るなんて、・・・・そんな時代になったのね~」「黄色い月が大きい。地上から見ると、ETみたく見えるのかな~」Wが言うと、皆は笑った。

大気圏を出る頃、白い雲の中からいきなり真っ暗な宇宙へと飛び出したようだ。地球の大きさを水平線に白く、いや、青く大きい。眩しさを一点に射したと思うと少しずつ白い線として広がり、闇の中っから少しずつ太陽が昇るのを観た。こちらが動いているのだが、そのように見える。
「感動だね~」とMが言うと、皆、他の言葉に出来なかった。ただ、大気圏外の上から見える、宇宙の神秘と地球の大きさ美しい青さに、何も言えるはずが無かった。

宇宙に出ると以外にも闇空が続く。星の輝きをあっちこっちに姿するイメージだったんだが、それほど宇宙は広く、太陽も一つの星でしかないことに気づく。
暫く時間が経ち、ガタンゴトンガタンゴトンキキーキキーと、線路を走る音が聞こえて来ると、いっぺんに現実が戻って来る。
これは多分私の夢ではないな、ここに居る他の三人の誰かの夢だ。隣りのMは半分寝ている。Wの奥さんは読書中。Wは闇の外をボケ~と眺めている。私は肘を付いて考え中だ。
さっき地獄の裁判官と同じ、普通のサラリーマン風の車掌が出て来たが、それは、作者の単なるミスだ。こんな現実あるはずが無い。私の夢でなければ、必ず誰かの夢でしかない。
それとも他に、この現実を説明出来る人がいますか?教えて下さい。

すると連結の扉が開き、サラリーマン風の車掌が出て来た。私は「あ!」と思い。
「後一時間ほどで、火星の軌道に入ります。その後、宇宙船なかむらや号に連結致します」と言った。勿論眼鏡が光り、少し薄笑いが見えた。
「そろそろ着くね」「早いわ~、まだ二時よ」「三時間で着くと、時刻表にある」と皆は起き、口々に言う。私は火星に三時間で着くものか、このトリックどこにあるのか?絶対に私の夢ではない。それだけは分かる。
しかし車掌は私のキャラクターだ。
なんてこった、パンダこった。・・・・ギャクも面白くない。

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人は「私はこういう人間だ」と自分で考えるその通りのものになります。
それと異なったものになることはない。

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