児童劇と富士山と青春!(その13)


~雑色駅前将棋サロンホーム~

ー苦しいときこそ、明るく元気にー その4

東京に戻り国分寺の事務所に行くと、津田さんが明るい表情をしていた。
「あら、長岡さん、おはよう。これ劇団やまびこ用電話メモとして、一冊用意したわ」
「ありがとうございます。予約の電話、たくさん入るといいですね。・・・・?いや、入りますので・・・・」
手渡されたノートを返して、力ない声で言った。
「二階の稽古場で踊りの稽古していますよ。覗いて行かれたら・・・・。浦部さんもいますよ」
「そうします。みんなとは一週間ぶりなので会ってきます」
少しホッとした顔色を見せて、長岡は下の階へ行った。
二階の稽古場に行くと、十人ほどの若い役者が山野の指導で、基本的な踊りのレッスンをしている。踊りの音楽を流している(音響)のは山本で、浦部はその隣に座って稽古を見ている。
長岡が稽古場に入ると、一瞬、皆の動きが止まり視線がこちらに向いた。
センターにいる山野が、皆に、「紹介するわ。この方が、劇団やまびこの団長で営業の長岡さんよ」
と紹介すると、皆は「おはようございます。宜しくお願い致します」と大きく揃った声で挨拶した。
長岡は照れながらも、「おはよう。宜しく」と言って浦部の隣に、折りたたみ椅子を出して座った。落ち着くと、再び稽古が始まった。
「この一週間でだいぶ進んだ。最初、日吉の木馬座倉庫に行ったときにはビックリだ。山本と道具の片付けだけでも大変だよ。でも、何とかなりそうだ。やはり直しには時間が掛かるが、無い物は無いというか、他の作品から使える物も代用品で賄える」
浦部は稽古のじゃまにならないように、小さな声で続ける。
「役者も、やまびこ四人以外に、津田さんから芸術劇場の研究生を借りることが出来たので、人数的な問題も大丈夫。ただし、まだ初歩的な稽古だから本番までは大変だけどね。音響機材も芸術劇場から借りるし、本番は山本が音響だ。僕は舞台監督として袖に居ることになるな・・・・。後は本番まで皆がまとまれば、プロとして恥ずかしくない公演が出来るはずだ」
浦部は弾んだ声で喋り、三月二十日の公演に手応えを感じているようだ。皆の稽古を見ている浦部は明るく初々しいが、どこか疲れた顔色も出ている。
「浦部、お前あまり寝ていないだろう。一日何時間仕事して、どのくらい寝ているんだ」
浦部は一瞬、表情のない顔で長岡を見たが、
「五時間くらいだ。それ以上寝てられないね。体が勝手に動く、そうじゃないと本番に間に合わないよ。山本だって同じさ、山野さんは自分の仕事や子供もいるもの、もっときついかも知れないよ」と言う。
長岡は同調して頷いた。
「そりゃそうだろう、そうじゃないと間に合わない。俺からは何も言うことはない。その結果は本番でしか表すことが出来ないものな」
長岡は自分に言い聞かせるように言った。
「営業は大丈夫なのか?富士市は何とかなりそうなのか?」
長岡は答えず下を向いて考え、間を置いてから浦部を見た。
「お前、家の車借りられる?動けば何でもいいんだ。やはり機動力ないと」
浦部は少し考え軽く頷いた。
「今から家に来いよ。親に聞いてみるから、たぶん大丈夫だと思う」と答えた。
二人は稽古場を出て、三鷹にある浦部電機に向かった。
裏手にある車庫に行くと、古いハイエースのワゴンとカローラのバンが並んでいた。浦部は両方の後の扉を開けて、中の荷物を取り出して整理し始めた。
「長岡も手伝ってくれよ」と言われ、車の中を見ると、電機関係の荷物でいっぱいの上、油の匂いと汚れでどうしようもない。
浦部は車の中で荷物整理していると、思いついたように振り向き、
「そういえば、本番まで芸術劇場の四トントラック、たびたび借りるけどいいよね。津田さんが一日一万でいいと言っていたが・・・・」
「いいんじゃないか、別に、津田さんの許可があれば・・・・。日吉の倉庫に何か営業に使える物はなかった?」
「う~ん、何かあるんじゃないかなあ。今から行くか?」
「うん。行ってみよう。俺も久しぶりに行く」
二人は空になったハイエースワゴンで、青梅街道から環状七号線で日吉に向かった。
長岡が運転する車の中で、浦部が、
「倉庫の中は昔のままでメチャクチャだが、なぜか宝の山に見えるよ。まだパネル二枚しか出来上がってないが、何とかなりそうな気がする」
と楽しそうに言う。
「一人で作業しているのか?山本も?」

続く。


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~今日の一言~

児童劇と富士山と青春!途中から読まれた方は意味が分からない?
確かに、初めから読まれなければ内容の把握は難しい。
面倒ですが、(その0)から読んで下さいと言うしかありません。
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Author:長澤席主
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