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児童劇と富士山と青春!(その20)


~雑色駅前将棋サロンホーム~

ー皆の気持ち、そして想い。ー

長岡はアパートに帰り、直ぐ蒲団に潜り込んだ。自分の弱さ、根気の無さ、そして皆の叶えようとしている夢を潰そうとした心。悔しくて悔しくてどうしようもなかった。
今まで一人でのほほんと生きてきた自分が、何も責任感のない自分が、恥ずかしくて恥ずかしくて堪らなかった。いったい三十年何を考えて生きてきたのか、貧乏と苦労の毎日だったのに何にも経験が生きていない。ただその時苦しんでいるだけで、何も成長していない。そこらにいる犬猫と同じだ。
一人、大粒の涙をぼろぼろ流し、泣いても泣いても涙が止まらず、そしていつしか寝てしまった。
次の日の朝、大分体調が良いので、新たな気持ちで甲府市へと向かった。富士市の二回目の営業と同じく、まず市役所に行く。それから音協という独自の業者に挨拶し招待券を置いた。また、西武セゾンの置き券とポスターをいくつかの商店に張ってもらい、一日が終わった。
国分寺の芸術劇場では、津田が皆に向かって演出家を紹介した。
「長岡さんからの希望で、芸術劇場から演出家を出してほしいと言われましたので、村上を紹介します」
村上は演出部の若手で、主に新劇の堅い作品を勉強している人物である。演出家のいない劇団やまびこには、必要な人材だった。それは、ここにいる山野以下全員納得済みである。
これからはダンス+芝居の稽古になり、今まで以上にきつくなる。ダンスでは、仲田が経験無いだけに不安定だ。その上に芝居の稽古が重なると、どうしても彼女だけが取り残される。演出の村上からいつも、「そんなことも出来ないのか、辞めてしまえ!」とか「馬鹿野郎、お前のような奴はもう要らない」とか「死んじまえー、帰れ!帰れ!」など、いろいろな罵声が飛ぶ。
仲田は耐えながらも、稽古時間以外一人で練習していた。
この日も大分疲れが溜まっているのか、皆の動きも悪い。村上の罵り方も酷く、誰と言うことなく口喧嘩することさえあった。そして夕方になると、日吉の倉庫作業に行かなくてはならない。
大道具の作業に浦部と山本、衣装の直しに木村と仲田が来ていた。
木村は、細かい縫い直しをしながら、
「美恵さんいないと大変ね、進まなくて。とりあえず言われた物を直すだけ」
とため息交じりに声をかけた。仲田は、衣装の仕立てをしながら、
「今日は美恵さん、なぜ日吉に来ないの?」と尋ねた。
「知らないわ。浦ちゃんに聞いてみなよ」
と木村が答えると、仲田は不貞腐れて、
「慶子さんは、週二回しか来ないし、美恵さんも時々休む。あたしと美月さんだけね、休まず毎日来ているのは」
「仕方ないわよ。私たちは、素人で新人だもの」
二人は作業に大分慣れたらしく、衣装を直しながら雑談している。
山本は浦部に、中二階奥でお面を作りながら、演出家と皆の間が上手くいっていないことを話すと、浦部はお面にスプレー絵具で、丁寧な手つきで色づけ作業を進めながら、
「う~ん、皆疲れているからね。しかし演出家の言うことは聞かなくてはダメだよ。演出家には演出家の意図があるものだ。・・・・山野さんや島田は、なんて言ってるの?」
山本は、顔の出来上がっているお面に髪の毛を縫い込んだり、絵具の垂れた雫を削り取りながら、
「ええ、島田さんは、少し難しい事を言い過ぎると言っていました。それで分からなければ、直ぐに怒鳴るからいけないと言っています。山野さんは、ぬいぐるみ劇にあんな演出はないと怒っています」
「難しい演出かあ。村上さんは、少しぬいぐるみ劇を勘違いしているのかなあ」
「僕はそうだと思います。第一、島田さんが分からないと言っている演出を、百花ちゃんが分かる訳ないと思うし。・・・・いつも百花ちゃんばかり、怒られています」
浦部は、思わず作業の手を休め、
「百花ちゃんも、とんだ災難だなハハハハ」
と軽い気持ちで笑い出すと、山本は真剣に、
「笑いごとじゃないです。可哀そうになるぐらい怒られていますよ。でも百花ちゃん強いから。普通の女の子じゃもたないと思います」
浦部は、また笑い出し、
「百花ちゃんは普通じゃないから、劇団やまびこにいるみたいなものだねハハハハ」
山本は尚も深刻に、
「山野さんが、このままだと本当に本番まで、皆の我慢が続かないかも知れない、と言っていますが・・・・」
「それは本当に深刻な問題かも知れないが、そういう障害を乗り越えてこそ、皆の団結力が増すというものだよ。だから自然のままに、流れのままに任せるのが一番さ」
「そういうものですかね」
山本はため息一つついて、直している人形の頭を逆さにし、バレーボールみたいにポンポンと上げた。
「もし障害が高すぎて、越えられなかったらどうします」
「その時はその時さ、自然自然、普通が大事・・・・。ほら、手が止まっているぞ。仕事仕事」
と言い、落ち込んでいる山本の肩を叩いて、
「大丈夫だよ。そんなに簡単に挫けないよ。人間は強いから進化するんだよ」
と励ました。

続く。


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好きなことなら、どんなに障害が高くても苦にならないこともある。
嫌いなことは、障害でない(めんどくさい)ことでも避けて通りそうだ。
それで、結果損することもある。
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