児童劇と富士山と青春!(その21)


~雑色駅前将棋サロンホーム~

ー皆の気持ち、そして想い。ー その2

一方、一階プレハブ小屋脇では、木村が仲田を心配していた。
「百花。いつも村上さんに怒られているけど、大丈夫?」
「う~ん、分からないよ。村上さんの言っていることも、自分がどうすれば良いのかも分からない。美月さんは、あたしとそんなに変わらないのに、どうして怒られないのかしら?」
「何言ってんの!全然変わるわよ。・・・・それにしても村上さん百花には厳しすぎる、私も感じるわ」
「あたしが悪いのよ。・・・・違うわ、皆が上手すぎるのよ。だからあたしばかり目立つのよ。美月さんも体柔らかいし、芸術の研究生も侮れないわ」
と言って、しばらく不貞腐れていたが急に表情が変わり、大きな声で、こう付け足した。
「そうだ!美月さんあたし考えていることあるの」
「え?」
木村はあっけにとられたが、仲田は木村の腕を引いて、
「ダンスよ。踊りよ、面白いダンスがあるの。それはね・・・・バカボン踊り。バカボン踊りを密かに研究しているのよ・・・・。まだ研究中だから誰にも言わないでよ」
木村は表情変えず黙って見つめた。
「・・・・?あなた、あなたって面白い人ね」
「ねえ、そうでしょう。面白いでしょう。いいでしょう」
仲田は、尚もはしゃぎながら高い声で振りまねするが、木村は呆れて言葉も無かった。
長岡の営業も四日目に入った。
状況は富士市と同じで、思うように行かなかった。これが今時代の児童劇の現実なのかと、強く感じた。
昔はあまりやらなかったが、マスコミの営業もある。甲府市では、山梨日日新聞社と山梨放送局がある。有料無料問わず話を持って行った。内容はいろいろあるが、やはり有料、それも三十万~六十万くらい出さないと効果のほどは保障出来ないと言われた。金額も金額なので、とりあえず保留。策も尽きてきたようだ。仕方ない、もう一度幼稚園を回るしかない。可能性は無いと思うが、やらないことには始まらない。
一度会っているせいか、顔を見ただけで門前払いに会う。
辛い・・・・。こんな時、隊長(長澤先輩)だったらどうするだろうなあ。思いつかないことをする人だった。そして、失敗も多かった。
ぽつりぽつりと雨が降って来た。見上げると、厚い曇り空の中から雫のように降って来た。気分も乗らないので、さっさと市内のビジネスホテルに帰ることにした。雨風が強くなり、本当についていない。
途中、あの山元幼稚園の横を通り、フッと理事長の顔を思い出した。・・・・?もしかしたら、この雨を使って芝居が出来るかも?理事長も人の子なら、情が少しでもあるならば。いや・・・・駄目だ。あまりにも卑しすぎる。でも自分には、どうしても皆を守らなければならない。遊びじゃないし、良い恰好もしていられない。神様、許して下さい。僕を助けてください。と、心に叫びながら車をUターンさせた。
心の中で、よし!行くぞと思い、山元幼稚園の事務所に飛び込んだ。カウンターの前に立つと、保母の先生が三人いて奥に理事長が座っているのが見えた。
「すいません、劇団やまびこです。・・・・またお願いに上がりました」と大きな声で挨拶した。
理事長以下三人の先生は、びっくりしてそのままの姿勢で凝視した。
「またお願いに上がりました。どうか三月十九日の白雪姫に、引率公演お願いします」
と頭を下げた。理事長は奥の方から苦虫を潰した顔して、怒鳴った。
「何度来ても君の劇団は駄目だ。第一、まだ見たことも聞いたこともない劇団に引率など出来る訳がない。帰りたまえ!」
手前に座る保母の一人が、気が付いたように、
「引率といえば、川元幼稚園は飛行船に決まったみたいですよ。理事長」と言った。
自分は、え?と思い、理事長の顔を見上げた。川元が飛行船に取られたことも痛いが、決定権は理事長じゃないのか?それでも山元と水元だけでもと思い、直立不動のまま「お願いします。お願いします」と、ただ連呼した。理事長も「駄目だ駄目だ、帰りたまえ!」と繰り返しになる。
こんな感情的な状態では埒が明かない。
園庭が見える窓から外を見ると、雨風も大分強くなり、厚く黒い雲が異様な雰囲気を演出している。そして、ぬかるんでいるグランドは丁度良い舞台か?
よし!今だ。
長岡は上着を脱ぎ棄てて、外の園庭に出た。理事長の見える位置に立ち、頭を下げた。これが、これが馬鹿な俺が思いついた。劇団営業としての最後の作戦だった。
二月にしては暖かい雨だった。嵐のように横殴りの雨は、思いのほか身体に響く。目も開けられない。グッと歯を食いしばりながら、薄目で事務所の中を覗いた。
何も変わらない。平然としているように見えた。
一方事務所では、保母たちが横目で外を見たり、理事長の顔色を伺ったりと落ち着きがない。理事長は冷静に、「少し彼の行動を静観しよう」と言った。
ジッとしながら立ちつくしていると、身体中雨水で冷たくなる。シャツの中からパンツに濡れる水滴に重みを感じ、靴の中から膝の上まで泥水が跳ね上がり、十分、二十分、三十分と時だけが過ぎて行く。だんだん自分でもどうしていいのか分からなくなる。寒さと腰の疲れで下半身がガクガク震えだし、どうしても腰の痛みが止まらなくなる。仕方なく、その場に座り、両手をついて正座した。

続く。


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~今日の一言~

バカボン踊り?
また、仲田が考えそうな発想だ。
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