児童劇と富士山と青春!(その31)


~雑色駅前将棋サロンホーム~

ー緞帳が上がる、その瞬間!ー (その2)

ロビーの事務所横にある時計を見ると、十二時になろうとしていた。まだ、お客が来るには少し早い感じもする。都心にある会館ならお客の出足も早いが、ここは地方の会館なのか、お昼を済ましてから来るのだろう。
まだ、開演まで二時間ある。
長岡はトランシーバーで浦部を呼び、舞台の進行状況を尋ねた。
「あ~長岡か、しんどいけど何とかなりそうだ。今、明かり合わせに入っている。舞台が使えない状態だが、それが終われば転換稽古に入る。僕は綱元にいる。・・・・、それ!第二バトンアップだ。よいしょと。・・・・何か用か?」
「皆の弁当来ているんだか、どうするよ」
「昼飯か。・・・・あと三十分くらいかな、そしたら楽屋に持って来てくれ。そ~れと!・・・・次は第三バトンだ」
浦部は、突然大きな声で、
「そのパネルは一人で動かしたら駄目だよ!倒れるぞ。・・・・十五尺パネルは必ず二人ね。分かった!」と怒鳴った。
長岡には、「本当に素人ばかりで心配だよ。もう一度、しっかりミーティングやらないと駄目だな・・・・長岡、本番中もし僕が倒れたら後は任せるぞ」と冗談を言う余裕もあった。
ロビーには、そろそろお客が集まり出していた。小さな男の子が走り回っていたり、雑談などが聞こえて来たりと賑やかになってきた。
津田さんが、ロビーの混み具合を見て、
「十二時三十分よ。チケットだけでも売ったら?」と言うと長岡は頷いた。
そしてロビーのお客に向かって、
「今から、座席券を持っていない方に販売致します。入場はもう暫くお待ち下さい。割引券お持ちの方と、当日券お求めのお方だけ、受付にお並び下さい」
と言うと、思い思いのお客が受付に並び始めた。津田も長岡のフォローにと隣に座り、対応にあたる。
開演一時間前の午後一時には、広いロビーに入場を待つお客でいっぱいになった。
長岡は、「ロビーはいっぱいだ。そろそろ客席を開場したいが、まだか無理か?」と浦部にトランシーバーで伝えた。
「もう少しだ。もう少しで照明も終わる、あと十分待ってくれ・・・・緞帳下りたら、こちらから連絡する」
「分かった。出来るだけ早くしてくれ」
ロビーが段々と混み合い、外にも人が増えて行く状況に、長岡は心配になった。
照明の明かり合わせは、サス、SS、ローホリ、フロントと進み、最後にシーリングを合わせて終わった。
「浦部さ~ん。照明終わりました~。遅れてすみませ~ん」と照明係の技師は、下手袖奥の浦部に向かって叫んだ。
仕込み作業は全て終了した。
「小屋付さんOKです。緞帳お願い致します」と浦部は指示した。緞帳が下りるのを舞台中から見届けて、山本に「客入れOK」と伝えた。白雪姫のテーマ曲が会場全体に小さな音楽で流れ出す。
お客は、大ホールの前に三百人以上膨れ上がっていた。
「半券切りますので、親御様が券をまとめて持っていて下さ~い。半券切りま~す」
津田は雑然とした中、声を張り上げた。何回大きな声で叫んでも、なかなか全体には伝わらない。
長岡がチラッと時計を見ると一時三十分になっていた。
白雪姫のテーマ曲が流れる客席は、徐々にお客が入って騒がしくなる。布切れ一枚向こうの、緞帳の下りた舞台中にも聞こえてくる。
舞台では、転換稽古や場ミリ、役者の動きや位置関係の練習に集中していた。広い舞台は、役者とお客との主観や距離感覚を合わせるのが難しい。
開演十分前になると、何とか窓口も捌けて余裕も出て来た。会場は八割ほどのお客で埋まっていた。
浦部は下手袖にあるモニターで客席を見回し、
「これだけ広い会場で二階までいっぱいだよ。長岡もなかなかやるなアハハハハ」
と独り言を言って、
「なんだか、もう疲れたよ~。あと緊張感で体がだるいよ。今にも倒れそうだ」
と近くにいる、PA(音響)でスタンバイを待つ山本に声を掛けた。
「僕もだるいです。出来れば誰かに代わってもらいたいですね」
と山本は時計を見て、
「そろそろ時間ですね。五分前です」
浦部はニッコリ笑い、小さく頷いて、下手袖横にある赤いボタンを見た。
トランシーバーをフル状態にした。
「それじゃ、一ベル鳴らします。役者さん板付きお願い致します。照明さん作業灯お願い致します」
舞台では、スタッフの動きに緊張感が走る。上手袖には、小人の衣装でスタンバイを待つ聖闘士4の姿も見える。
浦部は、「行くぞ。山本」と言い、赤いボタンを押した。
会場は静けさの中、リリリリリリリリッと一ベルが鳴った。

続く。


~初心者(大人)女性子供将棋教室~

2017年季節は秋、心身とも充実した季節になります。
この時期こそ、新しいことにチャレンジしてみませんか?

頭のスポーツに適した環境ではないかと思います。
この時期に、何か習い事をしてみませんか?

将棋という歴史あるゲームを覚えて、知力や頭の回転力を育ててはどうでしょうか?

将棋サロンでは、低料金で一生の技術習得や趣味を通した新しい良い仲間つくりを応援いたします。


~初回無料体験教室あります~

親御様も無料見学出来ます!!
ので、お気軽にお越し下さい!!



~六郷杯リーグ戦~
参加者募集中です!

~初心者(大人)女性将棋教室も生徒募集しています!~

お問い合わせ 03-3737-0588

~今日の一言~

将棋でも受験でも、本番の緊張感は、準備が出来てこそ味わえるものです。
結果とは別に、怠け者には関係の無い心の感覚かも知れません。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

長澤席主

Author:長澤席主
他人を思いやれてこそ自立
傲慢で配慮がないのは孤立

名言カレンダー10月号より

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
趣味・実用
1851位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
388位
アクセスランキングを見る>>
FC2カウンター
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
フリーエリア