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児童劇と富士山と青春!(その38)


~雑色駅前将棋サロンホーム~

ー劇団やまびことちいちゃんー (その5)

舞台もあらかた片付くと、掃除に入る。
長岡も、舞台上をモップを掛けて歩いていると、客席で、椅子に戯れて遊んでいる女の子が見えた。おや?ちいちゃんと思い。モップを掛ける手を休めて女の子を見た。一人で遊んでいる。女の子の近くに掃除のおばさんがいるが、気が付かないのか、無視しているのか、女の子も周りを気にしていない。
長岡が見ていると、女の子と目が合った。大きく手を振り、何とも言えない笑顔を見せた。長岡も思わず、小さく手を振り笑顔で応えた。
後から浦部が声を掛けてきた。
「長岡、何しているの?気でも狂ったか?・・・・早く終わらせようぜ」
「あ、あ~ん、そうだな、終わらせよう」
浦部と話して客席を振り返ると、女の子はいなくなっていた。掃除のおばさんも、何事も無かったように掃除している。
長岡がモップを戻して搬入口から外に出ると、陽射しの強さを感じた。おっ!と思い。道路まで出てみた。暖かな感触が、体いっぱいに降り注いだ。白い雲の隙間から見える青い空を仰ぎながら、「うん。そういうことかな」と自分自身に言い聞かせた。
ちいちゃんはやっぱり、自分自身の中にいる天使だったんだ。誰の心の中にでもいる、美しい心、正しい心の天使、それが俺のちいちゃんだったんだ。
搬出も終わり、搬出口の前に全員集まった。
長岡が、「お疲れ様でした」と言うと、皆も、「お疲れ様でした」と言った。どんな世界でも元気の良い挨拶は大切である。
長岡は、「まあ、何とか無事公演も終わり、営業的には県民文化の売り上げで、これからも劇団やまびこの活動が出来そうです。これからも一緒に頑張りましょう」と言うと、皆、青空の下で笑顔を浮かべた。
雨の雫が残り、光り輝いて見える三台の車に分乗して、富士市民会館を後にした。
陽射しの当たる搬入口、その陰から、ちいちゃんはヒョッコリと顔を出した。出発した車の後姿を見ながら、道路までピョコンと出て来た。
「あたしは、お兄ちゃんの心の中に存在する天使じゃないわ・・・・。希望を持って、これからも頑張ってネ。バイバイ」と笑顔で見送った。
フッと寂しそうな表情に変わり、立ち止まり、涙がこぼれた。
ハイエースを運転する長岡は、隣に座る津田さんに、
「養護施設の先生、生徒たちと一緒に帰りましたか?」と聞くと、
「ええ、帰る時に、楽しい劇有り難うございましたって言っていたわ。施設のバスが、時間に合わせて迎えに来ていたわ。変な心配事言って悪かったわ」と答えた。
長岡はホッとした表情を浮かべて、
「いえ、ノウ、プログラム(ノープロブレム)ですよ」
と冗談のつもりで言った。後ろから、「つまらんわ~」とか「白ける~寒い~」と皆に笑われた。
長岡は後ろに座る女の子たちに向かって、
「こんなぬいぐるみ劇でも、皆は大変な思いをしただろう。演劇は、自分たちは苦しむだけ・・・・。どう、もう嫌いになった」
とバックミラーで仲田を見た。
「え!?あたしに聞くの?いや、ハハ、ハハハハ」と照れながらも、「あたしは続けるよ。これからも、・・・・きつくて辛かったけど、何だか楽しいわ」と言う。
「貴方は楽しいかも知れないけれど、周りの私たちは大変だったのよ」
木村が意地悪そうに言った。
「何よ~。あたしはいつも、皆を助けているのよ」
「え~、本当に、いついつ、どの場面よ」
「も~、いつもよ」
と二人でからかい合った。島田は、
「本当は、ぬいぐるみ劇はちょっと、と思ったけど、普通の舞台と何も変わらないわ。お面被っていても表情出るもの、驚いたわ」
「でも、ぬいぐるみ劇はこれで終わりなんでしょう。長岡さん」
と山野が聞いた。
長岡は運転しながら首を傾げて、
「そうだね。当面は六月に一週間ほど、演劇教室(小学校中学校の講堂公演)やりたいね。皆は五月から稽古に入るよ」と言うと、後ろの四人は声を揃えて、「ハーイ」と答えた。
「その間、バイトしなければならないのね」
仲田の言葉に、長岡はフッと考え、
「もしかしたら、聖闘士4で何か稼げるかも?」
と言うと、皆は本当に白けてしまった。
島田は自分のバックから何かを取り出して、
「駄目よ長岡さん。悔しいけど、私たち何も出来ないわ。ダンスだけのグループよ。・・・・このカセットテープ聞かして」と長岡に手渡した。長岡はテープをデッキに入れながら、「何のテープ?」と聞くと、「ちょっと古いけど、ボイジャーよ、ユーミン」と言った。
「今回、甲府市のイベントが上手くいったからって、下手にお金かけて、聖闘士4でビジネスすると失敗するわ。本当に甲府ではラッキーだったんだから」と山野が言った。
「つまらないな~。せっかくスターになりかけたのに」と仲田が言うと、また皆で笑った。
「ハハハハそうだね。まだまだそんな時期ではないね。少し粘り強く、演劇教室で力を蓄えるのがいいのかなあ」
ハイエースが河口湖に出ると、助手席に座る津田さんが、「湖に富士山が映っているわ。美しいわネ」と感動して言った。
夕日のオレンジ色に染まった、大きな富士山が右手に見えた。河口湖にも水色に染まった富士山が映っている。
後で、島田がカセットの曲に合わせて口ずさんでいる。
「遠くで貴方が呼んでいる~両手を広げて待っている~私も目を閉じて答える~今全てが生まれたわ~」と何回か繰り返しある歌詞が、やたらと印象に残った。
青空と暖かな陽射しと広大な山脈の、清々しい姿。そんな大自然の中にいる和らいだ大きな気持ちを、明日につなげたいと考える長岡たちだった。

終わり。


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~今日の一言~

長々とお付き合いのほど、有り難うございました。
本当にお疲れ様でした。
長岡君も、少しでも多くの方に読んで頂いたことを感謝していると思います。
次回は、私(長澤)の感想(あとがき)を書きたいと思っています。
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Author:長澤席主
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