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三年4組クラス会 1


定期的に行っているクラス会のグループラインが、Iから来た。

今回は、久川先生(ペヤング)を招いてクラス会を計画致しました。
今までとは違い本格的なクラス会にしたいと思い、品川プリンスホテル、椿山荘、メトロポリタン丸の内、などを探しましたがどうもイマイチでした。
そこで今回は特別に、火星で行いたいと思います。
現地集合と致しますので、旅費は各自持ちでお願い致します。
たくさんの御参加お待ちしております。

?どうやって行くのか分からない。JR職員であるWに電話してみよう。
「Iからのライン観た?今回の場所は火星らしいけど、どこから乗車するの?」
「観たよ。確か大雄山線の終点、大雄山駅から午前零時に出ていると、時刻表にある。それと火星じゃなくて、火星の軌道にある宇宙船だよ」
「宇宙船、なるほどね。・・・・大雄山線?以前仕事で乗ったことある。その終点から出ているの?それも夜中に?」
「当然だよ。昼間じゃあ飛行機の便と、・・・・危なくて、電車はほとんど夜中に出ているみたいだよ」
「電車?ロケットじゃないの?」
「そうらしいね。俺もまだ乗ったことないけれど、それも楽しみなんだ。かみさんとM(Mさん改めM)も一緒に行くから、同じ電車に乗らない?」
「ほんと!それは助かるよ。何時にどこに行けば良い」
「一応Mとは、横浜駅午後七時にしてある」
「そのくらいの時間に行かないと、大雄山駅に行けないかな、分かった。了解!」

横浜駅午後七時、JR東海道本線のホームでM、Wとその奥さんと待ち合わせる。帰宅ラッシュの時間帯と重なり混雑するホーム、そしてまだ夜の寒さが心持ち、キーンと肌を刺す。
「この時間でここから下りに乗るのは不思議だね」と私、「今の時間帯は、帰宅ラッシュの時間帯ですね」とWの奥さん、「不思議と言うよりも今日はロマンだね。長ちゃん」とM、「ここからまだ、大雄山駅まで三時間くらい掛かるね」とW。
小田原駅で伊豆箱根鉄道大雄山線に乗り換える。九時も回ると、このようなローカル線にはほとんど人もいない。横浜駅とはだいぶ雰囲気も違う。
古い電車、静かな山林の中をジーゼル音だけが響き、走り登る。
ボックス席に四人で座り、窓際、森林の中から雲の無い夜空を眺め、Wの奥さんが、「綺麗な星空ね。これから向こうに行けるなんて、本当に想像できない」隣りに座るWも、「宇宙船に行くのは初めてだよ。Iもしゃれたことするね。Mは?」「いや、地球の軌道にあるスペースシャトルはあるけれど、火星は初めてだね。長ちゃんは?」「・・・・あの~、今は本当に2019年?少し時代を飛躍していない」とMに聞く、「何言ってんだよ、長ちゃん。来年東京オリンピックだよ。宇宙に行くことぐらい、今時代普通の話だよ」「いや、今だよ、こんな山の中走るジーゼル車に乗っているんだよ。数時間したら宇宙船だなんて、考えられないよ」
Wは、「しょうがないよ。山の上からしか出てないのだから、行くしかないもの」「どんな電車に乗るの?」とWの奥さんは隣を振り向いて、Wに聞く、「ごめん、電車じゃないよ。機関車だったよ・・・・D51いやC62、そうそう999号」私はそれを聞いて、「なるほど、またこのパターンだね」と思った。

そして四人は、大雄山駅に着いた。駅前に出ると小さなロータリーがある。お店の明かりも少なく人もいない。十時を回っている。とぼとぼと次の駅に歩く。しんしんと、山の静けさを感じる。
「火星行き、乗車口」と寂れた看板のある、木造の小さな駅に入る。裸電球一つ目立って光っている。改札は無人、駅員も見えない。汚い看板の時刻表には、火星行き零時発とある。線路は一つ、ホームには私たち以外誰もいない。
Mはホームから夜の田舎町を見て、「まだ、一時間以上ある。コンビニも見え無いし、どうするよ」Wは、「食事は向こうに行ってからの方が良いよ。でも寒いね」Mは、「火星まで、後どのくらい掛かります?」と時間をJRの職員に聞くように言った。Wは、職員手帳らしき物を取り出して、「三時間ちょうどらしいね。三回惑星に寄るみたいだ。・・・・寒いんだから上衣出した方が良いよ」と奥さんの鞄に視線を向けた。「そうね。横浜とは違うようね。向こうは寒いのかしら、・・・・」と言いながら、鞄から上衣の下に足すセーターを取り出した。

私も寒さを感じる。それに空腹感もあるし、三人を目の前にして、この様な現実が自然に見える。
以前、記憶に新しいと思うが天国と地獄に行った話は、何てことない私の夢の世界だった。その時は寒さを感じなかった。あたりまえだ蒲団の中だもの。今のこの現実感は何ものなんだ。本当に火星に行くのは現実なのか?
分からない?と考え込むと、Mが、「長ちゃんは考え過ぎなんだよ」「え!?なんで人の心が読めえるの?他心智通?」とMの顔を不思議に観た、「長ちゃんの夢でないことだけは確かさ、いや、誰の夢でもないよ」Wは、「これが夢だったらどうするんだよ。これから上等の食事会が台無しになるだろ」奥さんは笑った。
Wが「話は変わるが、ペヤング(久川先生)本当に来るの?」Mは「どうだろうかね。Iは来ると言っているが、歳はいくつになるだろう?」「九十?」「そうだろうなあ。火星まで大変だ。今回は、これだけ大掛かりなクラス会だ。皆も来るだろうなあ」「三十人以上は来てほしいね」「確かに」と聞こえる。私は話題はそこか?と思い、会話に入れなかった。

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今、ブログを読んでもらい、情景をイメージしながら聞いていました。現実には起こりそうで、起こらない、わくわくする内容ですね。続きが楽しみです。心が豊でないと書けない内容と思いました。凄いと思います。

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仲間ネタです。すみません、使わせて頂きました。
私の創作は、まだまだ評価されていません。過去(将棋)もそうですが、評価の対象になるには続けることしかなく、いつしか認められる作品に近づくことです。
それには実験としての、いろいろな作品に挑戦することだと思っています。

有り難うございました。
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Author:長澤忠男
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それと異なったものになることはない。

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